【2009.01.30】   ◆ 
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2009年度税制改正大綱決定
〜景気回復実現に向けて!?〜

◆ 2009年度の税制改正大綱が発表されました(2008年12月12日)。本年度の大綱は、麻生首相が掲げる「3年以内に景気回復」することを最優先課題として、個人向け減税の大幅拡充や、中小企業の法人税の一時的軽減など、低迷する景気を刺激することを意図しているとのこと。 2009年度税制改正大綱の主なポイントは次の通りです。

T. 住宅税制
1. 住宅借入金などを有する場合の所得税額の特別控除
 (1) 2009年から2013年までの間に居住の用に供した場合の控除期間、住宅借入金などの年末残高の限度額及び控除率は次の通り。

居住年
控除期間
住宅借入金等の
年末残高の限度額
控除率
2009年
10年間
5,000万円
1.0%
2010年
10年間
5,000万円
1.0%
2011年
10年間
4,000万円
1.0%
2012年
10年間
3,000万円
1.0%
2013年
10年間
2,000万円
1.0%


 (2) 2009年から2013年までの間に認定長期優良住宅に該当する家屋で新築または建築後使用されたことのない認定長期優良住宅の取得をして居住した場合の控除期間、住宅借入金などの年末残高の限度額及び控除率は、次の通り。

居住年
控除期間
住宅借入金等の
年末残高の限度額
控除率
2009年
10年間
5,000万円
1.2%
2010年
10年間
5,000万円
1.2%
2011年
10年間
5,000万円
1.2%
2012年
10年間
4,000万円
1.2%
2013年
10年間
3,000万円
1.0%


2. 長期優良住宅の新築をした場合の所得税額特別控除の新設
 (1) 住宅用の認定長期優良住宅の新築または建築後使用されたことのない認定長期優良住宅の取得をし、長期優良住宅普及促進法の施行日から2011年12月31日までの間に居住した場合、当該認定長期優良住宅の新築などに係る標準的な性能強化費用相当額(上限1,000万円)の10%に相当する金額をその年分の所得税額から控除。
 なお、当該控除をしてもなお控除しきれない金額がある場合は、翌年分の所得税額から控除。
 (2) 一定の居住者(50歳以上の者、障害者、など)がその者の居住する家屋について一定のバリアフリー改修工事を行い、当該家屋に2009年4月1日から2010年12月31日までの間にその者が居住した場合、そのバリアフリー改修工事費用と当該バリアフリー改修工事に係る標準的な工事費用相当額のいずれか少ない金額の10%に相当する金額をその年分の所得税額から控除。

3. 住宅用家屋の所有権の保存登記もしくは移転登記または住宅取得資金の貸し付けなどに係る抵当権の設定登記に対する登録免許税の税率軽減措置の適用期限を2年間延長。

4. 2009年分以降の所得税において住宅借入金など特別税額控除の適用がある者のうち、当該年分の住宅借入金など特別税額控除額から当該年分の所得税額を控除した残額がある場合、翌年度分の個人住民税から、当該残額に相当する額を減額。

5. 住宅及び住宅用地の取得に係る不動産取得税の標準税率(本則4%)を3%とする特別措置の適用期限を3年延長。


U. 土地税制
1. 2009年及び2010年中に取得した土地などの長期譲渡所得の1千万円特別控除制度の創設
 ・ 個人が2009年1月1日から2010年12月31日までの間に取得をした国内の土地などで、その年1月1日に所有期間が5年を超えるものを譲渡した場合、その年中の当該譲渡に係る譲渡所得の金額から1,000万円を控除。また、法人も同様。なお、当該譲渡所得の金額が1,000万円に満たない場合には、当該譲渡所得の金額を控除。

2. 土地の売買による所有権の移転登記などに対する登録免許税の税率の軽減措置について2009年4月1日以降に引き上げることとされていた税率を2年間据え置く。
(2011年4月1日から段階的に引き上げ)


V. 相続税制
1.取引相場のない株式などに係る相続税の納税猶予制度などの創設
 ・ 非上場会社を経営していた被相続人から、経営承継相続人が、相続などによりその会社の株式などを取得し、会社を経営していく場合、経営承継相続人が納付すべき相続税額のうち、相続などにより取得した議決権株式などに係る課税価格の80%に対応する相続税の納税を猶予。

2. 取引相場のない株式などに係る贈与税の納税猶予制度の創設
 (1) 経済産業相の認定を受ける非上場会社を経営していた親族から、後継者が、贈与により保有株式などの全部を取得し、会社を経営していく場合、その猶予対象株式などの贈与に係る贈与税の全額の納税を猶予。
 (2) 贈与者の死亡時には猶予対象株式などを相続により取得したものとみなし、贈与時の時価により他の相続財産と合算して相続税額を計算。


W. 金融・証券税制
1. 2009年1月1日から2011年12月31日までの間の上場株式などの配当所得及び譲渡所得などに対する税率を10%軽減(所得税7%、住民税3%)。

2. 少額の上場株式など投資のための非課税措置の創設
 ・ 上場株式などの配当所得及び譲渡所得などに係る10%軽減税率が廃止され、20%本則税率を実現する際に、少額の上場株式など投資のための非課税措置を創設。

3. 確定拠出年金制度
 (1) 企業型確定拠出年金に導入される個人拠出の掛け金はその全額を所得控除の対象とする。
 (2) 確定拠出年金の拠出限度額の引き上げ。限度額は次の通り。
  @ 企業型は、他の企業年金がない場合は月額46,000円から51,000円に、他の企業年金がある場合は月額23,000円から25,500円に引き上げ。
  A 個人型は、企業年金がない場合は月額18,000円から23,000円に引き上げ。
 (3) 生命保険料控除の改組
  1) 所得税
  @ 生命保険契約などのうち介護(費用)保障または医療(費用)保障を内容とする主契約または特約に係る保険料などについて、現行の一般生命保険料控除と別枠で40,000円の所得控除(介護医療保険料控除)を創設。
  A 一般生命保険料控除及び個人年金保険料控除の適用限度額をそれぞれ40,000円(現行50,000円)とする。
  B 2012年分以降の所得税について適用。
  2) 個人住民税
  @ 生命保険契約などのうち介護(費用)保障または医療(費用)保障を内容とする主契約または特約に係る保険料などについて、現行の一般生命保険料控除と別枠で28,000円の所得控除(介護医療保険料控除)を創設。
  A 一般生命保険料控除及び個人年金保険料控除の適用限度額をそれぞれ28,000円(現行35,000円)とする。
  B 一般生命保険料控除、介護医療保険料控除及び個人年金保険料控除の適用がある場合における合計適用限度額は7万円とする。
  C 2013年度分以降の個人住民税について適用。


X. 中小企業対策
1. 中小企業に対する軽減税率の時限的引き下げ
 ・ 中小法人等の2009年4月1日から2011年3月31日までの各事業年度の所得のうち、年800万円以下の金額に対する法人税の軽減税率を22%から18%に引き下げ。

2. 中小企業の欠損金の繰り戻し還付の復活
 ・ 中小法人等の2009年2月1日以降に終了する各事業年度において生じた欠損金額は欠損金の繰り戻しによる還付制度を適用。

3. 中小企業等基盤強化税制の適用期限の2年延長。

4. 信用保証協会の抵当権の設定登記などに対する登録免許税の税率軽減措置の適用期限を2年延長。


Y. 国際課税
 間接外国税額控除制度の廃止。
 内国法人が外国子会社から受ける配当などの額について、内国法人の各事業年度の所得金額計算上、益金の額に算入しないこととする制度の創設。


Z. 円滑・適正な納税のための環境整備
 電子証明書を有する個人の電子情報処理組織による申告に係る所得税額特別控除制度の適用期限の2年延長。


[. 自動車税制
1. 環境負担の小さい自動車のうち2009年4月1日から2012年4月30日までの間に新規検査を受ける新車は、自動車重量税を減免。

2. 上記1.のうち2009年4月1日から2012年4月30日までの間に継続検査などを受けるものについては、当該期間中に受ける初回の継続検査などに係る自動車重量税についても減免。

3. 環境負担の小さい自動車(新車に限る)のうち2009年4月1日から2012年3月31日までに取得したものについては、自動車取得に係る自動車取得税を減免。
 
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